極西文学論 West way to the world

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極西文学論 West way to the world
Book
仲俣 暁生
価格(税込): 1,680円
在庫あり。 : 1,500円以上は、送料無料
SalesRank : 215338
Publisher : 晶文社 ( 2004-12-25 )
Studio : 晶文社
単行本 : 234 pages H:87 x L:724 x W:512
晶文社
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監視 と 、 眼差される恐怖 を 軸 に 語られる反グローバリゼーション文学論 : 2005-01-05
 著者 の 言いたいこ と は 、 本文p225からp229 と epilogue に コンパクト に ま と められ て いる 。 こちら を 先 に 読ん で から本文 を 読み始めたほう が 、 すっきり理解 で きる と 思う 。
 巻頭 、 著者 は 極東 を 極西 と 位置づけなおす地政学的認識 の 反転 を 行う 。 と りあえず は 日本 を 亜細亜共同体的な幻想 の 中 で 捉える欺瞞 を 断ち切り 、 アメリカ を 中心 と するグローバリゼーション の 圏域 に 位置づけ て いる と 考え て よい 。 ただし「西」 の 意味内容 は 本文中 で 濫用気味 に 拡張される の で 、 最終的 に は 世界 の すべ て の 地域 を アメリカ文化圏 の 一地方 と 捉える認識 と 受け取るべきだろう 。 グローバリゼーションっ て そういう意味だし 。 ま 、 こういう考え方そ の も の は 特 に 目新しい も の で は ない 。 こういう認識 の 下 で 日本文学 を 読みましょうよ 、 と いう呼びかけだ 。
 こ の 本 の 批評 の 道具立 て で より本質的な の は 、 視線 と 恐怖 と いう対概念だろう 。 視線 と は 権力 の 視線 で あり 、 恐怖 と は なすすべなく権力 に よっ て 眼差される恐怖だ 。 た と えば爆撃機から地上 を 見下ろす視線 と 、 燃え盛る地上 を 逃げ惑う恐怖 。 GPS衛星から地上 の すべ て を 誤差数センチ以下 で 捕捉する視線や 、 街頭 の 監視カメラ の 視線 と 、 「いま・ここ」 の 主体性 を 剥奪される私たち の 存在論的恐怖 。
 著者 が 現代日本 の 文学作品 に 探る の は 、 こうした権力関係 に 対する抵抗 の あり方だ 。 比喩的 に 言えば 、 眼差し返すこ と 。 ただし上空から見下ろし返すこ と で 権力関係 を 再生産する の で は なく 、 見下ろす視線 と 見上げる視線 、 そし て 水平的な視線 の 交錯 の 様態 、 つまり権力関係そ の も の を 見返すこ と 。 「極西」 と いういか が わしい用語 は 、 サイード的オリエンタリズム の 視線 の 反転 と いう意味 で 、 こ の 眼差し返し を 暗示する言葉 で も ある の だろう 。
 こうした立場から 、 た と えばかつ て 吉本隆明 が 「ハイ・イメージ論」 で 肯定的 に 提示したような「世界視線」 は 棄却される 。 著者 は あくま で も 言葉 を 信頼する 。 実際 、 恐怖 と は 名指しえぬ も の へ の 恐怖 に 他ならない の だから 、 眼差し返すため に は 名指さなく て は ならない の だ 。
 著者 は 、 村上春樹 が 恐怖 の 問題 に 固執するこ と を 重視する 。 しかし村上 は こ の 問題 を 「60年代」 と いう特殊性 に 還元した点 で 失敗した 、 と いう の が 著者 の 主張だ 。 本書 が 扱う の は 、 こ の 村上 が しくじった地点 で 、 さら に 歩み を 進めた90年代以降 の 作家たち で ある 。 そ の 各論 が 読みたい方 は 、 どうぞ 。
 最後 に 1点だけ 。 本書 で ヴェンダース が 論じられ て いる が 、 視線 の 宙吊り と いうこ と で 言えば「こ と の 次第」 に も 触れ て 欲しかった 。 あ の ラストシーン 、 射殺された撮影者 の 手から路上 に 投げ出され 、 それ で も まわり続けるキャメラ 。 主 の ない視線 が 撮り続ける 、 横向き の 街角 の 風景 。 あれ が 私 に と っ て も っ と も 印象深いヴェンダース で す 。


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本 - By Publishers - 晶文社
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