灯台守の話

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灯台守の話
Book
ジャネット ウィンターソン
価格(税込): 2,100円
在庫あり。 : 1,500円以上は、送料無料
SalesRank : 237800

Publisher : 白水社 ( 2007-11 )
Studio : 白水社
単行本 : 249 pages H:94 x L:756 x W:520
白水社
白水社
マーケットプレイス情報
中古最安値: 1,000 円52%off
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物語 を 物語るこ と に 拘る作家 。 : 2009-07-08
彼女 の 作品 の 魅力 を 語ろう と 思えば 、 おそらく本 が 一冊書け て しまう に 違いない 。 それくらい多様 で 、 言及すべき事柄 に あふれ て いる の だ 。 たぶん 、 こうやっ て 三冊 の 本 を 読ん で きたぼく に し て も 、 彼女 の 作品 に 隠され て いる数多く の たくらみ を すべ て 回収し て る自信 は ない 。 それほど に 奥深く 、 隠喩 に 満ち 、 行 の 背後 に 潜む解釈 が 多い の だ 。 だから と いっ て 、 難解なわけ で は ない 。 これ は 訳者 で ある岸本佐知子さん に よる と ころ が 大きい の だろう が 、 書かれ て いる文章 は 非常 に 平易 で わかりやすいし 、 切り取られた場面 が 頭 に 入り に くい と いうこ と も ない 。
だ が 、 彼女 の 描く世界 は 寓意 に 溢れ て いる の で ある 。 そ の 感覚 は か の ティム・バートン の 作り出す世界 に も 類似し て 悪夢的 で さえある 。 それ が 作品世界 に 共鳴し 、 独特 の 雰囲気 を 醸し出す 。 そし て 、 そこから紡ぎだされる物語 は 、 反復 と 進化 を 繰り返し読む者 の 頭 の 中 に 長く居座るイメージ を 構築する の で ある 。 本書 で 語られる の は 盲目 の 灯台守 に 引き と られた孤児シルバー の 物語だ 。 だ が 物語 を 司る灯台守ピュー が 毎夜語る百年前 の 物語「バベル・ダーク牧師 の 数奇な人生」 が 侵蝕し て き 、 や が て ダーク と シルバー の 物語 が 交錯し て 、 語り手 が ピューからシルバー に 変わり 、 話 は どんどん加速し て いく 。 物語 を 物語る と いう行為 は 、 世界 の 創造 に も 似た崇高 で 確信犯的なたくらみ に 満ち て いる 。 そこ に は 、 愛 の 物語 も あるし 、 裏切り の 物語 も あり 、 喜び の 物語 も あれば 、 失意 の 物語 も ある 。 そし て 、 ただ一ついえるこ と は 、 物語 に は 決し て おしまい が ない と いうこ と な の だ 。 『物語る と いう行為 で 人 は 救われる』 と いうメッセージ を 発信し続け て いるウィンターソン の 、 これ は 再生 の 物語 で あり 、 真実 を 求める物語 で も ある 。 短い話 で は ある が 、 や は りどこ を と っ て も ウィンターソン の 描く世界 が 満喫 で きた 。 や は り 、 ウィンターソン は いいなぁ 。 これから も ずっ と 読ん で いきたい作家 で ある 。


自分 の 「物語」 を 探す旅 : 2008-10-28
「わたしたち の 家 は 、 崖 の 上 に 斜め に 突き刺さっ て 建っ て いた 。 椅子 は 残らず床 に 釘 で 打ちつけ て あり 、 スパゲティ を 食べるなん て 夢 の また夢だった」
最初 の ページ で こ の 数行 を 目 に すれば 、 斜め に 傾いだ家 の かたち を 思い浮かべず に は いられない 。
私生児 と し て 生まれ 、 すべり落ちないため に 母さん と 体 を ひ と つ に 結びつけ て 育ち 、 や が て 灯台守見習い と なったシルバー 。
灯台守 の ピュー が 夜ご と 聞かせ て くれるふしぎな物語 の 主人公 、 バベル・ダーク 。
ふたつ の 人生 が 交錯し 、 物語 に みちびかれ て 、 シルバー は 旅 に 出る 。

風 の ひ と 吹き で ちりぢり 、 ばらばら に なっ て しまいそうな 、 あやうい物語 の 断片たち 。
それ で い て 、 夜 の 真ん中 に そびえたつ灯台 の ような 、 強烈な求心力 も ある 。
ふたつ の 相反する力 を あやつり 、 ぎりぎり の ライン で 物語 を 成立させるバランス感覚 に おい て 、 ウィンターソン と いうひ と は たぶん 、 天才な の だ と 思う 。

「物語」 と いう概念 が 、 こ の 小説 の ひ と つ の 大きなテーマ に なっ て いる 。
かつ て 、 地図 の 読めない海 の 男たち は 、 世界中 に ちらばる灯台 を 物語 で おぼえた 。
物語 を 語るこ と が 、 灯台守 の 大切な仕事だった 。
や が て 灯台 は 無人化され 、 物語 は 忘れられた 。

ほん と う に ? ほん と う に 忘れられたんだろうか 。
それ は 世界 の どこか 、 バベル・ダーク が 見つけた岩 の 割れ目 の ような秘密 の 場所 に 、 ひっそり と 隠され て いる の か も しれない 。
それ を 探し に 出かけ 、 掘り出し て メッセージ を 聴き と り 、 人び と が 読むこ と の で きる共通 の 記号 、 言葉 に 変換する の が 、 た と えばウィンターソン の ような 、 作家 の 仕事な の か も しれない 。

物語 の チカラ 。 : 2008-04-19
私たち は
大好きなパートナーや家族や友人やご近所や職場 の 同僚や
こ の 社会 を と も に 育ん で いる方々 に 、
いつ も 少しだけ多め に 期待し て いる の か も しれない 。
まぁ 、 自分 の こ と を 棚上げ に し て 。

だから 、 時どき が っかりさせられ 、
それ が たび重なれば と て も 疲れるし 、
いたる所 で 自分 が ひき裂かれ て いるような気分 を
味わうこ と さえ少なくないだろう 。
で も 、 そんな と き は “いたる所” で 物語 を 語るんだ 。

『灯台守 の 話』 の 主人公シルバー は 父 を 知らず 、
幼くし て 母 を 亡くした少女 と し て 私たち に 語りかける 。
そし て 、 す で に そ の 光 を 必要 と しなくなりつつある時代 の 灯台 で 、
盲目 の 灯台守ピュー と 暮らし始める 。

著者 の ジャネット・ウィンターソン は 私 と 同じ年 に 、
英国北部 の 工業都市マンチェスター で 孤児 と し て ?生まれる 。
多く の 場合“狂信的” と の 形容詞 を 付される
ペンテコスタ派 を 信仰する養父母 に 育 て られた が 、
同性愛者ゆえ に 家 を 追われる 。

も うひ と り の 主要人物──ダーク牧師 を 含め て 、
こ の 物語 に 登場する人び と の 境遇 は 幸せ と は ほど遠い 。
しかし 、 そ の 悲惨さ が 物語 と し て 語り直されるこ と で 、
やけ に 明るくなる 。
それ は 、 様々な職業 を 転々 と しな が ら も
独学 で オックスフォード に たどり着く
著者 の 内面 に 通底し て いる も の な の だろう 。

少しだけ我慢し て 読み進め て ほしい 。
いつしか幸せな気分 に 包まれ て いる自分 に 気づく は ずだ 。

Tell me a story, Pew.

What kind of story, child?
A story with a happy ending.
There's no such thing in all the world.
As a happy ending?
As an ending.

私たち が 主人公 の いくつか の 物語だっ て 、 まだ始まったばかりだ 。

no other words, : 2008-04-08
なん て きれいなん で しょう 。

わたし は ジャネット の 熱いファンな の で 、 レビュー と いうかファンレター で すけど 。
彼女 の 言葉 の すべ て が 心 に ビシバシ と 迫る 。 で す 。

マドンナやグゥィネス・パルトロウ も ファン を 公言され て いるそう で す 、 、 、 マドンナ 、 いい人やー!

人 を 愛し信じ続ける事 で 、 人生 は 幸せ に 導かれ て 行く の だろう 。 : 2008-03-10
1985年「オレンジだけ が 果物じゃない」 で デビュー以来イギリス文学界 を リードし て きた女流作家ウィンターソン が 2004年 に 発表した傑作長編 で す 。 著者 は 孤児 と し て 生まれ 、 そ の 後紆余曲折 が あっ て 苦労され 、 また90年代 に は 批評家 の 誤解 を 招い て 批判される と いう辛い経験 を されたそう で す 。 本書 は 著者 の 分身 の ような孤児 と なった少女シルバー が 不思議な盲目 の 灯台守 の 老人ピュー に 引き取られ 、 夜毎 に 100年前 に 生きた牧師ダーク の 人生 の 物語 を 語り聞かせられる事 で 貴重な何か を 学ん で いき 、 世間 に 揉まれ て 苦労しな が ら も 、 人生 を 乗り越え て ゆく物語 で す 。 老人ピュー と シルバー の 会話 で 、 ハッピーエンド の お話 を ねだるシルバー に 、 こ の 世 に おしまい(エンド)などあり は せん 、 と 返すピュー の 禅問答めいた掛け合い の 言葉 が 印象的 で す 。 私 が 本書 の 中 で も うひ と つ心 に 残った の は 、 牧師ダーク が 独白する言葉「彼 は 自分 の 人生 の 異邦人だった」 で 、 ダーク は 裕福な身 で 前途洋々たる人生 を 送っ て いな が ら 、 ふ と 心 に 懐疑 の 念 を 抱いた為 に 道 を 踏み外し て 迷い何時しかジキル博士 と ハイド氏 の 如き二重人格 の 悪党 に 成り下 が っ て しまい ます が 、 自業自得 と は いえ急激 に 襲い掛かった運命 の 過酷さ を 思う と 深い憐れみ を 感じず に は いられません 。 ダーク と シルバー の 人生 の 対比 を 考える と 、 幸せ と 不幸せ は ほん の わずかしか距離 が なく て 、 例えば信じる事 と 疑う事 が 人 を 一瞬 の 内 に 光 と 闇 に 分け て しまう の だろうか と いう思い に 駆られました 。


さくらんぼの性は (白水Uブックス 海外小説の誘惑)
オレンジだけが果物じゃない (文学の冒険シリーズ)
ナイフ投げ師
異能の画家 伊藤若冲 (とんぼの本)
永遠を背負う男 世界の神話 (THE MYTHS)

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